同じお宅内なのですが相談の上使用する畳表を変更して作業させていただました。
北側の少し湿気がちで普段は使用しない部屋は「紙表」を
いつも使用する茶の間的な部屋は「上品のい草表」を選んでいただき作業しました。
お値段はほぼ同じですが使用の仕方や雰囲気に合わせて適切に選んでいただけてよかったです。

畳屋に逢着機が入ってからずいぶん経ち手縫いの物も少なくなりました。
今これだけ手縫いで仕上げると４から５分の一の仕事量しか出来ないと思いますし値段もかなり高くもらわないと生活できないです。
今回の物は建てられてから初めての物で約３０年以上経ってはじめての表替え、さすがに畳表は乾燥しきってボロボロ、隙間もかなりありましたが二階の部屋なので床の状態はかなりよくてまだまだ長生きしそうな畳でした。

畳を上げるとビニールや畳表梱包用のシートが敷いてありました。
あげてみると・・・カビだらけ（涙）
床板とシートの間に湿気がたまった結果です、湿気るからと安易にビニールなどで遮断してしまうとかえって悪影響が出ます。
本当に湿気るのなら床下の環境改善をするしかありません。
今回は取り除かせていただき出来るだけ風を入れてから納品させていただきました。

「裏返し」とは今付いている畳表を取り外して裏返し再度逢着する作業のことです。
最近はそのまま使い続けてボロボロになってから「表替え」をすることやシミや傷つきで裏返しが出来ないことが多いのですが今回作業させていただいたお宅は理想的な使い方で写真のように綺麗な状態で裏返しが出来て気持ちよかったです。
こんなふうに定期的に作業させていただくと気持ちよく和室を使うことが出来ます。

ちまちまと手縫いで縫ってる変な物・・・
大きさは30ＣＭくらいでしょうか？





小さいサイズの円形の畳です。
ゴザを二枚張り合わせて切り抜いた後ヘリを縫い付けています。
ヘリに皺が出ないように縫い合わせていきますがポイントは綿のヘリを使用すると濡らして縮ませることが出来るので綺麗に仕上げることが出来ます。

本当はお休みの日なのですが週末に地元で展示会（文化祭）に飾るように二畳台みたいなものを製作してました。
みたいなものなのは床（心材）が建材畳床を重ねただけの手抜き（笑）だからです。



こんな感じの物です、お寺でお坊さんが使用してるのを見たことあると思います、または時代劇なんかでも見たことがあるかもしれません。
みたいな物でも約半日作るのに掛かってしまいました、疲れた・・・

ちょうど当店で通常在庫している畳表で一番良品と安い表を使う仕事があったので比較のために並べてみました。
左が安い物、右が高い物です。
ですが写真だと結構綺麗に写ってしまうので差がわからないかも。
(>_<)

拡大すると少しはわかる・・・かな？
色合い、草のそろい具合なんかが違うのが解ると思います。
価格的には高い物は安い物の５～６倍します、つまり良品一枚分で安い物は一部屋分買えるくらい違います。

壁に付けられたふちの高さなのですがふちの下に畳を潜り込ませるのかふちに当てるのかどっちにしたら良いのか悩む高さで施工されてました。
寸法計測するのに本当に考えてしまいます、出来る限り綺麗に収まるように頑張ります。

畳や家が通常尺寸法（90*180）を基準に作られてますが一部のハウスメーカー等はメートル寸法（100*200）を基準に作られてる場合があります。
その場合畳もメートル寸法の物を使わなくてはならないのですが事前に知らないと畳屋さんによっては在庫が無い場合もあるので注意が必要です。
今回は「シングルベッドに畳を敷きたい」との事で製作しました、写真のように一回りは大きいです。

コストが掛けられないと不良な物も混じるという一例ですが周りのい草に比べ数倍の太さの物が中央部にまぎれているのが解ると思います。
このような不良を普通は取り除くのですが安価な物は混入しているのを見受けます、製品になってから取り除くと余計に不良部分が目に付くので手を出しにくいです。